腹部アンギーナ(abdominal angina)とは
腹部アンギーナの病態
腹部の動脈(腹腔動脈,上腸間膜動脈,下腸間膜動脈)に閉塞性の病変がある場合、空腹時に無症状であっても、食後の消化管の血流量増加によって、腸管の相対的な虚血が起こることで腹痛が現れることがある。これを腹部アンギーナと呼ぶ。体重減少、消化機能障害(下痢,便秘)を伴うことが多く、腹部に血管雑音を聴取する場合は腹部アンギーナを疑う。
腹部アンギーナの原因
腹部アンギーナの原因となる動脈の閉塞性病変は、動脈硬化の頻度がもっとも高く、その他に血管炎や壁外性圧迫等で起こる。また腹腔動脈起始部が横隔膜正中弓状靭帯に圧迫されること、いわゆる正中弓状靭帯圧迫症候群(median arcuate ligament syndrome;MALS)でも起こりうる。
腹痛となるには2つ以上の血管に狭窄が必要とされる。(exp:腹腔動脈+上腸間膜動脈)
腹部アンギーナの治療
腹部アンギーナの治療には血行再建術が行われる。
血行再建の方法は複数あり
- 血管内治療
- 外科的治療
‐血栓内膜摘除術
‐バイパス術
が選択される。
食物の通過時間
一般的な食物の通過時間は以下の通り
ただし個人差や食物の種類により到達時間は大きく異なる
- 咽頭,食道 数秒
- 胃 3~6時間
- 小腸(十二指腸,空腸,回腸) 4~8時間
- 大腸(上行,横行,下行,S状) 24~72時間
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